ベック (歌手)
ベック Beck | |
---|---|
基本情報 | |
出生名 | Beck David Campbell |
生誕 |
1970年7月8日(54歳) アメリカ合衆国 カリフォルニア州 ロサンゼルス |
ジャンル |
オルタナティヴ・ロック ファンク ヒップホップ エレクトロニカ ローファイ |
職業 |
ミュージシャン シンガーソングライター 音楽プロデューサー |
担当楽器 |
ヴォーカル ギター キーボード ベース ドラムス ハーモニカ パーカッション シタール バンジョー スライドギター 12弦ギター グロッケン ヴォコーダー カリンバ メロディカ ヒューマンビートボックス |
活動期間 | 1988年 - |
レーベル |
ゲフィン・レコード インタースコープ・レコード XLレコーディングス ホステス・エンタテインメント イリアド |
公式サイト | www.beck.com/ 公式サイト |
著名使用楽器 | |
1962・ヴィンテージ・シルヴァートーン・ダンエレクトロ |
ベック・ハンセン(Beck Hansen、1970年7月8日 - )は、アメリカ合衆国のミュージシャン。1990年代から活躍を続けるアメリカを代表するソロ・アーティスト[1]。
来歴
[編集]カリフォルニア州ロサンゼルス出身。父はカナダの作曲家デヴィッド・キャンベル、母はアメリカの芸術家・女優のビビ・ハンセン、母方の祖父はフルクサスの一員であった芸術家のアル・ハンセン 。
幼少期に両親が離婚し、兄弟と共に母に引き取られた。ヒップポップからラテン音楽といった多種多様な音楽や、母が属するアート・シーンに感化されながら育つ。少年期にはカシオ製の音の出る電卓で作曲をする[2]など、早くより音楽に興味を示す。
1980年代半ばに高校を中退。ヨーロッパを旅し、街中で演奏しながら自身の音楽を発展させていく。祖父の下で過ごした際には、1960年代に流行しオノ・ヨーコも所属していたフルクサスに触れる。
1993年、インディーレーベルからアルバム"Golden Feelings"でデビュー。同年、12インチシングルの『ルーザー』がオルタナティヴミュージック専門のラジオ局で放送されて評判を呼び、複数のレコードレーベルの争奪戦の末にゲフィン・レコード傘下のDGCレコードと契約。
1994年、DGCからメジャーデビュー作『メロウ・ゴールド』を発表。1曲目に収録した「ルーザー」が大ヒットし、アルバムはロング・セールスを記録した。
1996年にはダスト・ブラザーズのプロデュースの下、サンプリングを巧みに活用した『オディレイ』を発表。「フォーク、ロック、ヒップホップ、ブルース、ノイズ・ミュージックなどをそれまで聴いたこともないような形で自由に融合させた」「1990年代の歴史的傑作」と高い評価を受ける[3]。
1998年、『オディレイ』路線の踏襲という周囲の期待を意図的かつ完全に裏切ったフォーキーな『ミューテーションズ』を発表。プロデューサーはナイジェル・ゴッドリッチである。
1999年、ファンキーなダンス要素を盛り込んで「セクシー&パーティー・アルバム」と高い評価を得つつも当初のチャート・アクションでは苦戦した『ミッドナイト・ヴァルチャーズ』を発表。
2002年、プロデューサーにナイジェル・ゴッドリッチを迎えた『シー・チェンジ』を発表。ローリング・ストーン誌年間アルバム・ランキングで1位に輝くなど高い評価を得た。
2005年、再びダスト・ブラザーズと組み、6作目となる『グエロ』をリリース。「E-PRO」などのキラーチューンによって全米2位を記録した。翌2006年にはナイジェル・ゴッドリッチプロデュースの7作目『ザ・インフォメーション』を立て続けにリリースしている。
グラミー賞にノミネートされた2007年の単発シングル「タイムボム」のデジタル配信リリースを経て、2008年にはデンジャー・マウスとの共同プロデュースで60年代風のガレージ~サイケサウンドにアプローチした『モダン・ギルト』を発表。この作品からヨーロッパではXLレコーディングス、日本ではホステス・エンタテインメントからのリリースとなった。
また、映画への楽曲提供やプロデューサー業にも手を広げ、2009年発表のシャルロット・ゲンズブールのアルバム「IRM」[4]等を手掛けた。
2014年、6年ぶりとなるアルバム『モーニング・フェイズ』を発表。リリース後のインタビューで長年脊椎損傷で苦しんでいたこと、手術によって回復したことを明かした[5]。
2015年2月8日第57回グラミー賞で、「モーニング・フェイズ」が最優秀アルバム賞に輝いた。また、最優秀ロックアルバム賞も「モーニング・フェイズ」が受賞した。
2019年2月10日第61回グラミー賞で、「カラーズ」が最優秀オルタナティブ・ミュージック・アルバム賞、最優秀アルバム技術賞(クラシック以外)を受賞した。
2019年11月22日、ファレル・ウィリアムス等との共同プロデュースによるアルバム「ハイパースペース」をリリース。
私生活
[編集]女優のマリッサ・リビシと2004年4月に結婚[6]。2児の父となる。2019年2月15日に離婚を申請した[7]。
サイエントロジー
[編集]父のデヴィッド・キャンベルがサイエントロジストであった影響で自身もサイエントロジストだったが、離婚後のインタビューで「現在はサイエントロジーの一員ではない」と述べている。なお元妻のマリッサ・リビシと、彼女の双子の兄弟で俳優のジョバンニ・リビシはともにサイエントロジストである[8][9]。
ディスコグラフィ
[編集]アルバム
[編集]年 | タイトル | アルバム詳細 | チャート最高位 | 認定 | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
US [10] |
AUS [11] |
AUT [12] |
CAN [13] |
GER [14] |
JPN [15] |
NLD [16] |
NOR [17] |
NZ [18] |
UK [19] | ||||
1993 | Golden Feelings | — | — | — | — | — | — | — | — | — | — | ||
1994 | Stereopathetic Soulmanure | — | — | — | — | — | — | — | — | — | — | ||
Mellow Gold |
|
12 | 53 | 33 | 7 | 41 | 61 | 81 | 18 | 23 | 41 |
| |
One Foot in the Grave | — | — | — | — | — | 238 | — | — | — | — | |||
1996 | Odelay |
|
16 | 20 | 14 | 12 | 30 | 16 | 27 | 23 | 16 | 17 | |
1998 | Mutations |
|
13 | 24 | — | 5 | 49 | 15 | — | 18 | 24 | 24 | |
1999 | Midnite Vultures |
|
34 | 34 | 41 | 8 | 46 | 12 | 88 | 3 | 33 | 19 | |
2002 | Sea Change | 8 | 15 | 34 | 5 | 38 | 34 | 53 | 1 | 26 | 20 | ||
2005 | Guero |
|
2 | 14 | 23 | 2 | 33 | 5 | 38 | 5 | 30 | 15 | |
2006 | The Information |
|
7 | 31 | 56 | 6 | 78 | 17 | 58 | 20 | 37 | — | |
2008 | Modern Guilt |
|
4 | 13 | 42 | 4 | 63 | 12 | 33 | 24 | 21 | 9 | |
2014 | Morning Phase | 3 | 5 | 11 | 2 | 13 | 17 | 5 | 6 | 8 | 4 | ||
2017 | Colors |
|
3 | 14 | 25 | 4 | 32 | 13 | 14 | 24 | 8 | 5 | |
2019 | Hyperspace |
|
40 | 33 | — | 48 | — | 20 | 46 | — | — | 33 | |
"—"は未発売またはチャート圏外を意味する。 |
日本公演
[編集]- 1994年
- 8月29日 CLUB CITTA'、31日 名古屋クラブダイアモンドホール、9月1日 大阪IMPホール、2日 福岡Skala Espacio、4・5日 CLUB CITTA'、6・7日 Liquid Room
- 1996年
- 10月23日 大阪IMPホール、24日 名古屋クラブダイアモンドホール、25日 福岡Skala Espacio、27・28・30・31日 赤坂BLITZ、11月1日 Liquid Room、3日 Bayside Jenny、4日 京都CK Cafe
- 1997年 FUJI ROCK FESTIVAL '97
- 7月27日 富士天神山スキー場
- 1998年 FUJI ROCK FESTIVAL '98
- 8月1日 東京ベイサイドスクエア
- 1999年
- 4月11・12日 渋谷公会堂、14日 名古屋市民会館、15日 福岡市民会館、16日 大阪厚生年金会館、18日 仙台サンプラザ、19日 中野サンプラザ、21日 東京厚生年金会館
- 2000年
- 5月17日 大阪城ホール、18日 愛知県体育館、20・21日 Zepp Fukuoka、24日 仙台サンプラザ、26日 Zepp Sapporo、29・30・31日 日本武道館
- 2001年 SUMMERSONIC 01
- 8月18日 千葉マリンスタジアム、19日 大阪WTCオープンエアスタジアム
- 2003年
- 3月26日 大阪フェスティバルホール、28日 愛知厚生年金会館、30日 東京ベイN.K.ホール、31日 Liquid Room、4月1日 日本武道館
- 2005年 FUJI ROCK FESTIVAL '05
- 7月30日 苗場スキー場
- 2007年
- 4月6日 Liquid Room,8日 Zepp Tokyo、9、10日 Zepp Osaka、12日 Zepp Nagoya、14日 Zepp Sendai、16日 日本武道館
- 2009年
- 3月18日 Zepp Sendai、19日 Zepp Nagoya、22日 Zepp Osaka、24日 NHKホール、25日 NHKホール、 26日 Zepp Tokyo
- 2016年 FUJI ROCK FESTIVAL '16
- 7月23日
- 2017年
- 10月23日 日本武道館、24日 新木場STUDIO COAST
- 2024年
- 4月6日 EX THEATER ROPPONGI[28]
脚注
[編集]- ^ ベックの最高傑作として大絶賛を浴びた『モダン・ギルト』から6年・・・遂に待望の新作アルバム『モーニング・フェイズ』2月26日(水)リリース! ホステス・エンタテインメント 2014年1月22日
- ^ DJ KOBBY'S RADIO SHOW 2006年4月30日放送分
- ^ ベック、1990年代の歴史的傑作『オディレイ』のデラックス盤を発売!! ro69.jp 2007年12月21日
- ^ シャルロット・ゲンズブール、最新タイトル曲を無料ダウンロード barks 2009年10月17日
- ^ ベック、脊髄損傷から完全復帰 barks 2014年2月17日
- ^ ベック、結婚 barks
- ^ ベック、約15年連れ添った妻と離婚
- ^ ベック、自身の信仰について現在の見解を語る NME Japan
- ^ Beck Reveals 'I’m Not a Scientologist' in New Interview Rolling Stone
- ^ “Beck – Chart History: Billboard 200”. Billboard. Prometheus Global Media. June 23, 2013閲覧。
- ^ Peak chart positions in Australia:
- Top 50 peaks: “Discography Beck”. australian-charts.com. Hung Medien. June 23, 2013閲覧。
- Top 100 peaks to December 2010: Ryan, Gavin (2011). Australia's Music Charts 1988-2010. Mt. Martha, VIC, Australia: Moonlight Publishing
- ^ “Discographie Beck” (German). austriancharts.at. Hung Medien. June 23, 2013閲覧。
- ^ Peak chart positions for albums in Canada:
- All except for Mellow Gold and Odelay: “Beck – Chart History: Canadian Albums”. Billboard. Prometheus Global Media. June 23, 2012閲覧。
- Mellow Gold: “RPM 100 Albums (CD's & Cassettes)”. RPM 59 (10). (March 28, 1994) March 26, 2012閲覧。.
- Odelay: “RPM 100 Albums (CD's & Cassettes)”. RPM 63 (20). (July 1, 1996) March 26, 2012閲覧。.
- ^ “Chartverfolgung / Beck / Longplay” (German). musicline.de. GfK Entertainment. June 23, 2013閲覧。
- ^ “ja:BECKのリリース一覧” (Japanese). Oricon. June 23, 2013閲覧。
- ^ “Discografie Beck” (Dutch). dutchcharts.nl. Hung Medien. June 23, 2013閲覧。
- ^ “Discography Beck”. norwegiancharts.com. Hung Medien. June 23, 2013閲覧。
- ^ “Discography Beck”. charts.org.nz. Hung Medien. June 23, 2013閲覧。
- ^ “Beck” (select "Albums" tab). Official Charts Company. June 23, 2013閲覧。
- ^ a b c d e f g h i Caulfield, Keith (July 18, 2008). “Ask Billboard: Beck, Blind Melon, Danity Kane”. Billboard. Prometheus Global Media. June 23, 2013閲覧。
- ^ a b c d e f g “American certifications – Beck”. Recording Industry Association of America. June 23, 2013閲覧。[リンク切れ]
- ^ a b c d e f g h "Canadian certifications – Beck". Music Canada. 2012年6月23日閲覧。
- ^ a b c d e “Certified Awards Search”. British Phonographic Industry. June 19, 2015閲覧。
- ^ “ARIA Charts – Accreditations – 1997 Albums”. Australian Recording Industry Association. June 23, 2013閲覧。
- ^ “Rianz Charts - Top 50 Albums”. Radioscope. November 6, 2015閲覧。
- ^ http://www.billboard.com/articles/news/magazine-feature/6730164/grammys-2016-preview-big-four-potential-nominees
- ^ Caulfield, Keith (October 22, 2017). “Pink's 'Beautiful Trauma' Bows at No. 1 on Billboard 200 With 2017's Biggest Debut for a Woman”. Billboard. October 23, 2017閲覧。
- ^ “一夜限りのソロアコースティックライブのレポートと写真が到着”. ベック (2024年4月6日). 2024年4月8日閲覧。
外部リンク
[編集]- 公式ウェブサイト
- Beck (@beck) - X(旧Twitter)
- Beck (beck) - Facebook
- BeckVEVO - YouTubeチャンネル
- planned_obsolescence - SoundCloud
- Beck - Myspace